経営コンサルという地平の向こう側。

August 18th, 2016 : Deloitte Digital x WIRED

THINK QUANTUM:「量子的」に思考せよ

これからの日本は本格的な「人口減時代」に入ります。2050年頃に人口は1億人を切り、2100年には半減。高齢化率は40%に達します。30年後の日本を考えたとき、「このままではいけない」という危機感を強く持たなければ、この国の未来は暗いことだけは確かです。それは、私たちコンサルティングファームとて同じです。これまでの考え方や手法にとらわれず、新しい地平に産業を、そしてこの国を向ける助力ができないのであれば、我々の存在価値はなくなっていくと言えるでしょう。

また、デジタルやテクノロジーは、人々の生産や消費活動をめまぐるしく変化させながら急速に進化を続けています。それは、いずれ“シンギュラリティ”と呼ばれる技術的特異点に達し、世界の在り方をガラリと変えてしまうでしょう。
極端な想像をすれば、今後生命や安全を守るテクノロジーが発達することで人間は不老不死に近づく一方で、AIやRoboticsの進化に伴って相当の仕事が機械に代替されていくはずです。そのような世界では、企業と人の関係はもとより、世の中の構図が大きく変わってしまいます。では、やがて来るであろうそのような時代に、企業は誰の、どんなニーズに応えるために存在するのか?そもそも労働と人間の関係すら変わってしまう世界で「企業」という組織体は従来通り存続しうるのか?あらゆる前提が変わり得るほどの不確実性の前で、従来の効率性を競うだけの合理化では到底対応しきれません。
となれば、当然コンサルティングファームに対する要求も変わってくるはずで、我々もこれまで得意としていたアプローチだけに固執するわけにはいかなくなってきます。経営コンサルティングという地平の向こうに、新しい価値や戦略を早急に見出さなくてはなりません。

そのための重要なキーワードが、「多様性の獲得」にあると我々は考えます。特定の最適な形を目指さず、一見非合理にみえる部分を一定の割合で維持することで予測不能な環境変化に対して適応していく。多様性の獲得には、自らの知識や発想に閉じこもるのではなく、外部の知識や発想を活用する力(オープン化する力)が鍵の一つとなるでしょう。
しかし、そもそも大企業という形態自体が合理化のためのシステムとも言えるので、そこに非合理な要素を取り込もうという試みは、一見矛盾する要素をマネジメントするという困難な挑戦であることを忘れてはなりません。
我々はそのアンビバレントな問題を解く鍵は、“らしさ“の回復にあるのではないかと考えています。ここで言う“らしさ”とは、自らが提供する価値の源泉(コアバリュー)にしっかりと根ざした意思決定や未来志向の提案を行うこと。経営に非合理性を取り入れることとは、言い換えればそこに人間性を取り戻すことに近く、それは企業が“らしさ”を取り戻し、新しい日本“らしさ”を見出していく道筋をつくることだと言えます。では、どうすれば“らしさ”を取り戻し、合理的に非合理な存在へと企業は進化できるのでしょうか?日本の経営に“らしさ”を取り戻すために、我々は以下の3つの提言を考えました。

自社/事業が依り立つべき「軸」、すなわち社会・顧客に対して創出する価値を明確にするために、自社の枠組みの中では出会えない、さまざまな“よそ者”との対話を通じて自らの「軸」を見出し、正していく。その過程を我々が提供します。
また、会社の構成要素として最も重要なものは「人材」です。我々のような左脳と右脳のハイブリッドチームが媒介となって、企業組織の縦糸に対して、流動性や機動性の高いプロジェクトチームの組成を促し、テーマに応じて部分的な「自社」のオープン化を支援します。
今後30年を見据えて、今こそ「自社」の枠組みを超える柔軟性を得る取り組みを始める時期です。とはいえ、異文化を受け入れるのは相当な覚悟が必要になります。だからこそ、我々自身が「自社」の枠組みを超えた組織であるDeloitte Digitalを立ち上げているのです。

Deloitte Digitalは、それ自体が共創優位性を追求した一つの形だと言えます。コンサルという型、ロジカルシンキングという技術の枠組みを超えて、あえてクリエイティブやエンジニアリングという一見矛盾する要素を取り込むことで、柔軟な価値提供に向かうチャレンジを先行しています。だからこそ、クライアント企業が自らの組織の枠を超えて取り組むべきテーマに対して、自らを先例にして異なる要素を取り込むためのプロジェクトをガイドすることができます。本来は各社が“アメーバ化“して自由に他企業や個人と連携していくのが理想ですが、それはあくまで理想であって、形ある「企業」と「企業」「個人」そして「国」をつなげて発想していくための“つなぎ”として我々を活用してもらうことができればと考えています。やみくもに手段に走り、ソリューションドリブンで思考するだけではなく、30年の先にも通じる「軸」となる“らしさ”を取り戻すために、我々はHumanityをコアに据えた新しいコンサルティングの地平を追求していきます。

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